能島(のしま)は、瀬戸内海のほぼ中央、大島と伯方島の間に浮かぶ無人島。かつて日本最強の海賊と呼ばれた能島村上水軍の本拠地があった場所です。
ベストセラー小説「村上海賊の娘」でも有名になりましたね。この海域に現在も変わらず存在するという、激しい潮流の体験レポートをお届けします!
能島水軍「潮流体験」の観潮船は、大島・宮窪港から出航します。定員54名のこちらの遊覧船に乗って、いざ出発!
まず、「能島城跡」の東側から通ります。左回りに回遊するため、左前方に乗船するのがオススメだそうですよ!出航してすぐ、予想以上のスピードで観潮船は進んでいきます。天候も良好。さわやかな潮の香りと、心地よい涼風が気分を向上させてくれます。
500年前と変わらぬ激しい急流を体感
ものの数分で、さっそく最初の急流ポイントが見えてきました。国指定史跡でもある能島城跡の東側。島に近づくと、穏やかな海に突然、川のような流れが発生しているのがわかります。
船のエンジンを止めると、右に左に船体は揺られ、潮流の激しさを実感するスリリングな体験が味わえました。
古来よりこの海域は、瀬戸内海を往来する船にとって最大の難所だったそう。今のように船にエンジンが付いていない時代、この潮流を乗り越えることは本当に困難だったことでしょう・・!
最大10ノット(約時速18km)にもなる潮流が渦を巻き、時には船を呑み込んでしまうこともあったそうです。かつて日本最強の海賊と呼ばれた「能島村上水軍」の操船能力の高さが理解できます。
渦を巻いたり、しぶきを上げたり、予想していた以上の荒々しい潮流に驚かされました!
さらに進んでいくと、灯台が見えてきます。この島、横から見ると3つの島が大きさの順に連なったようなおもしろい形をしています。
「鶏小島(にわとりこじま)」と呼ばれるこちらの島には、神功皇后が三韓征伐の帰り、三韓から持ち帰った金鶏がこの島に逃げ込み住み着いた、という伝説が残っているそうです。
船内アナウンスでは、このように観潮船ルートが舞台となっている民話を方言で語ってくれます。アナウンスで解説される村上水軍の歴史や伝説も興味深いですよ。
クルーズ後半は、しまなみ海道の伯方・大島大橋を真下から眺めて通過し、能島城跡の西側から港へ戻ります。
上陸はしませんが、こちらの能島は春になるときれいな桜が咲くスポットとしても知られているそうですよ。
約40分間、非日常を体感できる爽快なツアーでした!潮風が心地よく、春から夏にかけて暖かい時期がおすすめです。
能島水軍潮流体験
定員:54名(2名様からの運航となります。)
料金:一般1,200円 小学生600円(小学生未満無料)
・JAF会員証・障害者手帳持参の方100円引き
・団体15名様以上でご利用のお客様100円引き
運行時間:約40分
営業時間:午前9時~午後4時(最終受付)
※基本1時間間隔で随時運航・10名様以上の場合、ご予約をお願します。
休業日:月曜日(祝日の場合は翌日)※大型連休・夏休み臨時営業します。
駐車場:大型バス10台・乗用車50台駐車可(無料)
住所:愛媛県今治市宮窪町宮窪1293-2(村上水軍博物館前)
お問い合わせ:0897-86-3323
※潮流の規模は、潮の満ち引きによって左右されます。事前に問い合わせることをおすすめします。
潮流体験乗り場にある「水軍レストラン」では、激しい潮流の中で育った魚を使った料理を楽しめますよ。
名称:物産館兼魚食レストラン「水軍レストラン」
住所:今治市宮窪町宮窪1293-2 潮流体験乗り場
電話番号:0897-86-3323
営業時間:午前11:00~冬季3月まで午後3:00
定休日:月曜日(祝日の場合は翌日)
港の向かい側にある「村上水軍博物館」にも、ぜひ足を運んでみてください。村上水軍博物館内のミュージアムショップ内の「JiBaカフェ能島」で一休みしてみては!
名称:村上水軍博物館
住所:愛媛県今治市宮窪町宮窪1285
電話番号:0897-74-1065
開館時間:午前9時~午後5時(入館は午後4時30分まで)
休館日:月曜日・年末年始(12月29日~1月3日)
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2024.09.27